抜歯といっても
常にしっかりと歯根(歯の根)が歯槽骨に埋まっているものばかりとは限りません
中には虫歯でドロドロに溶けて
残骸のようになってしまった歯を抜歯する事もあります。
虫歯によってドロドロになる歯
虫歯によって歯がドロドロになる際には
歯根のある象牙質が酸で溶かされ
コラーゲンなどの線維のみが残り
カルシウムなどの硬組織成分が流出してしまっている事があります。
そのような場合は
歯は柔らかいグミのようになっており
鉗子でつかもうとしても
フニャフニャとうまくつかむことができない事もります。
軟化している歯を無理に鉗子でつかみ抜歯しようとすると
歯がそのまま折れるように砕ける事もあり
逆に抜歯がしにくくなってしまう事もあります。
ドロドロになった歯は
基本的に強く歯槽骨に埋まっていない事が多いので
例え抜歯中に歯が割れても
抜歯の難易度が急激にあがるという事はそこまでありませんが、
それでも
歯槽骨の中に歯の残骸を残してしまったりする可能性が出るので
可能であれば一塊として抜歯してくるのが好ましいです。
ドロドロになった歯はどう抜く?
ドロドロに柔らかくなった歯を抜歯鉗子で不用意につかんで
折ってしまったり、砕いてしまったりするよりも
ヘーベル(梃子、エレベーター)と呼ばれる
マイナスドライバーのような器具で抜く方が
すんなり抜ける事があります。
ヘーベルを歯根に添わせて深く挿入していき
持ち上げるようにテコの原理ですくいあげてくると
すんなりと奇麗に抜ける事があります。
このような場合は
歯に砕けるような力がかからないように
歯根の先端付近にヘーベルを近づけて
持ち上げてくる事になります。
歯と歯槽骨の間が詰まっている場合は
歯の先端までいかずに
途中でクサビを打ち込むような力で抜歯をしてくる事もありますが、
このような場合は中途半場にドロドロになった歯が砕けてしまう事もあります。
砕けてしまった歯はどうする?
砕けてしまった歯の一部もドロドロで柔らかくなっている事が多いため、
残りの残骸をこそげ取るように除去していきます。
この際に使う器具は
通常のヘーベルであったり、
鉗子であったり、
鋭匙と呼ばれるスプーンのような器具などを使います。
バラバラに砕けてしまった歯は
もとの形が分かりにくいので
全ての歯の残骸がしっかり取れているのか確認をする必要があります。
基本的には目視で確認しつつ
鋭匙などで軟化した感触を示す残骸がないかを確認していきます。
バラバラに砕けた残骸が
もとの形にパズルのように戻せる場合は
口の外で形を確認して全て抜歯できているか確認する事もありますが、
通常では残骸のようになってしまっている事が多く
もとの形にうまく戻せない事もしばしばあります。
そのため、
基本的にはバラバラにならないように
一塊にして抜歯していく事が大切となります。
阿部歯科では親知らずを含めた抜歯に関する様々なご相談にのっていますので、お気軽にお越しください。