歯を抜く道具には様々な器具がありますが、
その中に抜歯鉗子という器具があります。
抜歯鉗子は歯をつかんで抜歯するための器具なのですが、
よくイメージとしてペンチのような絵が漫画などにえがかれる事があります。
形自体はペンチとは全く違っており、
歯をうまくつかむため、つかむ部分は歯の形に合わせて湾曲しています。
抜歯鉗子の形
持ち手はペンチに近い形をしており、
そのため、漫画などではペンチとして描かれる事があるのかもしれません。
歯をつかむ部分は平らではなく、
歯の形に合うように湾曲していますが、
歯は、
・前歯
・小臼歯
・大臼歯
で様々な形をしているため、
それぞれに合わせた形の抜歯鉗子が用意されています。
さらに上顎と下顎でも歯の形は違い
さらにペンチのつかむ部分も上下逆になるため、
上顎用の抜歯鉗子と
下顎用の抜歯鉗子にそれぞれ分けられており、
抜歯鉗子自体はその形と歯をつかむ部分を見れば判別できます。
さらに歯の頭(歯冠)の部分がなくなってしまった歯のために
残根用の抜歯鉗子(残根鉗子)という特別な抜歯鉗子も存在します。
抜歯鉗子の使用用途
抜歯鉗子は歯をつかんで抜歯するため、
基本的には歯冠が残っているか、歯根が残っていれば使えます。
しかし、
虫歯が極度にすすんでいて歯冠や歯根が崩壊しかけていたりする場合、
抜歯鉗子でつかんでしまう事でバラバラになる可能性があるため、
そのような歯をつかむ事でバラバラに割れてしまう事が予想されるような場合には
あまり用途として向きません。
さらに、
親知らずの水平埋伏のような歯をつかむ事自体が困難な場合は
その際にもあまり使われる事はありません。
抜歯鉗子はつかんで横に倒して抜くだけでなく
ねじるような回転力を加えて抜歯をする事もできるため、
縦横と回転の力を加える事が適当な抜歯において使いやすい場合もあります。
さらに、
ほぼ抜歯が完了している際に
最後にしっかりつかんで取り出してくるという目的のために使われる事もあります。
抜歯鉗子も抜歯の際には非常に有効な器具の一つですが、
実際には抜歯鉗子ではなく、
挺子(ていし)と呼ばれるドライバーのような道具の方が比較的使われます。
抜歯鉗子と挺子を比べた場合、
抜歯鉗子の方が劣っているというわけではなく、
挺子の場合は歯冠や歯根がバラバラになりそうな場合や
バラバラになってしまっていても使えるという点に違いがあるため、
最初から挺子を使うという部分もあります。
しかし、
逆に歯を支える歯槽骨がほとんどなく
歯がプラプラの場合は挺子ではうまく力がかからない事があるため、
そのような場合には抜歯鉗子を用いた方がうまく抜歯できる場合もあります。
抜歯鉗子の見た目はペンチのように見えるのに加えて、
大きさもペンチくらいあるので口の中にやや入れにくい場合もあります。
しかし、目的によっては抜歯鉗子も抜歯のために非常に有用な器具となっているため、
抜歯の際には大切な器具の一つとなっています。
今池で親知らずの心配事がある方はぜひ阿部歯科にご相談ください。