矯正の際に歯を並べる空間を確保するために小臼歯などを抜歯する事があります。
目的によって小臼歯以外を抜歯する場合もありますが、
比較的よく行われるのが小臼歯の抜歯です。
上顎第一小臼歯の抜歯
矯正で歯を並べるスペースを確保する他に
適正な嚙み合わせを作るという目的で抜歯の部位が決定されます。
比較的一般的に抜歯されるのが
上顎の第一小臼歯ですが、
第一小臼歯の特徴は
多くが歯の根が2本あるという点です。
そして、便宜抜歯の際には
歯周病になっているから抜歯するといったような状態ではないため
歯の根も歯槽骨の中にしっかり埋まっている事が多いです。
歯の根の完成は年齢にもよりますが、
ブラケットを利用した矯正となると開始されるのは
おおよそ中学生から高校生以降という事になります。
その際には上顎の小臼歯も比較的しっかりしてきています。
そして上顎の第一小臼歯の特徴の一つである
歯の根が2本脚という点から
便宜抜歯をする際には比較的抜歯に力を必要とする事があります。
抜歯には
ペンチのような抜歯鉗子と
マイナスドライバーのような梃子(ていし(エレベーター、ヘーベル)
が一般的に用いられますが
便宜抜歯の際の上顎第一小臼歯はかなりしっかりしている事があるため
ヘーベルでテコの力をかけるよりも
鉗子でつかんで抜歯する事が多い事もあります。
ですが、
叢生のために抜歯鉗子をかけるためのスペースがない場合はヘーベルを使って抜歯する必要があります。
しかし、
2本ある根がしっかり歯槽骨の中に植わっていると
なかなか抜歯に苦労する事もあります。
抜歯鉗子でうまくつかめてもかなりしっかり力を入れないとなかなか抜けなかったり
ヘーベルで抜く際にはテコの力がかなり一点に集中してかかる事もあります。
歯周病や何らかの病態で抜歯をする際には
歯の歯槽骨への植わりも弱くなっている事もままあるのですが、
便宜抜歯の際には歯槽骨がしっかりしている事が多いです。
そのため、
矯正のための上顎第一小臼歯の便宜抜歯も
時として抜歯に力を要する事もあるのです。
抜くのは第一小臼歯?
矯正の便宜抜歯で抜歯をする際には第一小臼歯を抜歯する事が比較的多いですが、
嚙み合わせによっては第二小臼歯を抜歯する事もあります。
上顎と下顎で抜歯する際にも
上下とも第一小臼歯を抜歯する事もあれば
上顎は第一小臼歯を、下顎は第二小臼歯を抜歯する
といった判断がされる事もあります。
そのため、
便宜抜歯といってどこの歯を抜歯するかが必ず決定しているというわけでもないのです。
患者さんごとに必要な治療方針と治療計画を立てたうえで便宜抜歯をする部位が決定しているのです。
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