歯が割れて残す事が不可能になった歯は
抜歯するという選択肢が出てきます。
一部が割れていたり、どうにかして利用可能な場合は
残った部分を利用して機能させる事もありますが、
実質的に保存不可能であったり
割れた歯が感染源になってしまっている場合は
抜歯が積極的な選択肢となる事があります。
割れた歯が感染源になることも
歯が割れた部分に汚れがたまり
そこから伝うようにして歯槽骨へと感染を起こす事があります。
そのような際にはしばしば腫れを繰り返したり
膿が出たりといった状態になる事があります。
噛むと痛いといった症状の他にも
繰り返し起きる腫れや膿は生活そのものにも大きな問題を引き起こす事があります。
割れた部位に染み入るようについた汚れは感染源となり
歯槽骨の中で感染と炎症を起こす場合があります。
このような炎症を繰り返し起こす事で歯槽骨が溶ける
といった後々の治療において問題となる状態を引き起こす事もあります。
感染源となった歯の影響で歯槽骨が溶ける
歯槽骨に炎症が起きるとその影響で骨が破壊されていきます。
これは炎症による影響で骨を溶かす破骨細胞が活性化され
その結果歯槽骨が溶けていきます。
通常、骨は骨を作る骨芽細胞と骨を溶かす破骨細胞のバランスがとれており
それによって正常な骨の代謝、骨改造というリモデリングをしていますが、
炎症によってこのバランスがくずれ
活性化した破骨細胞によって過剰に歯槽骨が溶かされる事となります。
炎症を抑える事が大切
このような、炎症が続き歯槽骨が溶ける
といった状態が続くと感染源となった歯だけでなく
隣の歯を支える骨の部分や後々の治療など様々な悪影響を引き起こす事もあります。
抜歯という選択肢は安易に選択するものではありませんが
このような広範囲にわたって大きな悪影響をおよぼしかねない状態の場合は
早めにその選択を行った方が結果としては大きな利点になる事もあります。
通常は歯がかなり膿を出したり
完全に歯がバキバキに割れてしまってから抜歯する事が多いですが
実はそのような状態の時には歯槽骨はすでにかなりダメージを受けているため
実際にはそうなる前に抜歯を決断していた方が
歯槽骨があまり溶ける事なく治療を終えれたといった場合もあります。
抜歯の選択肢は簡単に決断できるものではありませんし
保存不可能な歯を不用意に抜歯してしまう事もよくありませんが、
大きな悪影響をおよぼすと考えられるような場合には
その後の事を考えて積極的に選択を行う事も大切な場合もあります。
池下の阿部歯科では親知らずの抜歯など様々な口腔外科に関する情報を日々更新してお届けしています。