抜歯をした後に血が止まりにくいという患者さんもいます。
その多くが何らかの理由で血の止まりにくい薬を飲んでいたり、
血が止まりにくい元々の基礎疾患などがある場合もあります。
抗凝固薬を飲んでる患者さん
心臓や血管といった循環器に基礎疾患を抱えている患者さんは
その対応として血液の抗凝固薬を日常的に服用している事があります。
心臓や血管に血栓ができないようにする処置なのですが、
抜歯の際の出血の凝固も阻害するので
抜歯の後に血が止まりにくい場合があります。
かつては
抜歯の前に抗凝固薬を一旦休薬していましたが、
今では心血管系の循環器に対するリスクを考えて
休薬せずに抜歯を行う事が多くなりました。
以前は抗凝固薬の強さを確認して
必要に応じてある一定の日数薬を飲むのをやめて休薬したり、
抗凝固作用の弱いものの場合は休薬せずに抜歯を行なっていましたが
最近では
基本的に休薬をせずに抜歯する事が増えています。
ただし、
抜歯する前から出血が多く予想される場合は
絶対に休薬しないというわけではなく、
必要に応じてその判断をする事となります。
骨髄からの出血が止まりにくい場合
抗凝固薬を飲んでいなくてもなかなか血が止まらない場合もあります。
親知らずの埋伏抜歯の際に骨の削除をして
その際に骨髄が多く見られ、
さらに傷を閉じる閉創ができなかった際に
持続的に出血が続く事があります。
骨髄には動脈も走っており、
骨の削除をして抜歯をした際に
脈動性の出血が見られる事もあります。
このような、術後出血が強く疑われる場合は
治療を終える前に止血を確認する事もあります。
しかし、
歯科で一般的に使われる麻酔には
血管収縮薬のエピネフリンが入っているので
その血管収縮薬の作用で治療時間の間は出血が少ないものの
その後、出血が強く始まる事もあります。
抜歯窩からの出血が強い場合は
ガーゼを塊にしてしっかり噛むように圧迫止血をする事が
患者さん本人でできる事の一つです。
ただ、
口腔内の出血は唾液と混ざっているので
その分出血が多く出ているように感じる事もあります。
抜歯窩から出血が続く他の理由
抗凝固薬による影響や骨髄からの持続的な出血の他にも
不良肉芽からの持続的な出血が認められる事もあります。
不良肉芽とは
感染を起こした結合組織で、
血管の拡張や腫脹などの炎症状態が起きている軟組織です。
抜歯窩の中にこのような不良肉芽が残されている事があり
そのような場合は
その不良肉芽から持続的な出血が続く事があります。
そのような状態が確認された場合は
抜歯窩の不良肉芽を再度掻き出し(再掻把)し
取り除く事で止血を促す事もあります。
池下の歯医者の阿部歯科では木曜、日曜も診療をしておりますのでお困りの事があればご相談ください。