抜歯をする前に感染予防として
抗菌薬(抗生物質)を処方して
抗菌薬を効かせた上で抜歯をする事があります。
以前は抜歯前に抗菌薬を処方する事が慣例のようになっていましたが
今はどうでしょうか?
抜歯前投与は必要?
感染予防として抗菌薬を飲んで効かせた上で抜歯をする事で
抜歯後の感染の可能性を下げるという手順が以前は良く取られていました。
特に親知らずの抜歯など
前投与を行って、その上で親知らずの抜歯にのぞむといった手順で抜歯がされていましたが、
そのような前投与も現在ではあまり見られなくもなりました。
抜歯前の前投与が全くなくなったという訳ではなく
すでに強い感染がみとめられており、
その上で抜歯をする場合に感染を抑えるための抗菌薬の投与
という意味で処方を行い
その上で抜歯にのぞむ事もあります。
しかし、
感染も強くなく、
糖尿病といった易感染性の基礎疾患もない場合は
特に前投与という事をしなくなってきました。
抜歯後の処方は必要?
現在では
親知らずの抜歯をした後は、感染予防のために抗菌薬が処方されますが、
この抜歯後の抗菌薬の処方という点でも数十年後もしくは十数年後には変わるかもしれません。
それは、
現在の抗菌薬に対する耐性菌の問題で
世界的には抗菌薬の処方を減らそうという流れになっているからです。
抜歯後に関しても、感染予防として出されている抗菌薬ですが、
体力もあり感染が疑われない場合には抗菌薬を処方しなくなるという流れになっていくかもしれません。
現在では
抜歯前の前投与は減ってきていますが、
抜歯後の抗菌薬の処方はまだまだ通常通りされている状態です。
しかし、この流れも今後変わっていき
抜歯の際の抗菌薬の処方はごく限られた場合のみにしか行われないようになるかもしれません。
抜歯後に必要な薬は?
抜歯後に感染が起きる確率が低い場合でも
痛みに関してはコントロールする必要があります。
世界的に見ても、
抗菌薬の処方は減る傾向に向かっていますが、
痛みのコントロールのための鎮痛薬は通常通り使われています。
日本では抜歯後には多くは非ステロイド性抗炎症薬が処方されますが、
アレルギーがある人にはアセトアミノフェンといった別の鎮痛薬が処方されます。
抗菌薬、鎮痛薬といった処方の他に
同時に胃薬が出る事もありますが
必要ない方にはいらない部分もあるので胃薬に関しては
出す歯医者さんと
出さない歯医者さんで分かれます。
抗菌薬は必要を判断して出す流れに変わるのか
そういった事情から
今後十数年単位で抗菌薬に関しては
処方の流れが変わってくる可能性もあります。
断続的な抗菌薬の使用によって
耐性菌が増えるといった事が起きると
今は有効な抗菌薬でも今後使えなくなっていってしまうかもしれないからです。
そういった事から
歯科医療においても今後抗菌薬の使用の流れを考えていく必要があるのかもしれません。
今池からすぐの阿部歯科では幅広く歯科治療に対応する共に木曜、日曜も診療をしています。