抜歯をする際に手技を難しくする要素に骨性癒着(アンキローシス)の存在があります。
骨性癒着とは歯が骨に癒着して一体化している状態ですが、
この状態になっていると抜歯の難易度が上がります。
骨性癒着の見分け方
骨性癒着は炎症や外傷などさまざまな理由で起きる可能性がありますが、
共通して確認できるのは骨と歯の境界がなく一体化しているという点です。
この状態になると歯は動く事がなく骨とがっちりとついている状態にあります。
骨改造によって歯根が置換性吸収を受けると同時に
骨へと置き換わる事でこのような状態になります。
骨性癒着の状態では歯根膜が失われているので歯と骨の間に歯根膜腔が確認できず
レントゲンで骨と歯の境界もあいまいな状態として確認できます。
歯根膜が一部残っている場合もあり
そのような場合は歯根膜腔の連続性を確認すると共に白線や骨硬化像など
様々な所見を確認して骨性癒着しているかを確認します。
しかし、その中でもやはり歯根膜腔の連続性を確認するという事が
骨性癒着の可能性を予測する上で大切となります。
骨性癒着している場合の抜歯
骨性癒着している場合は歯と骨が一塊となっているため
抜歯をしようとする際に歯が動きません。
ヘーベルや鉗子をかけて歯を動かそうとしてもびくともせず
逆に骨性癒着が疑われる場合は、
抜歯の手技を開始する際に歯が動くかどうかという事を確認する事が大切となります。
歯が少しでも動く場合は骨性癒着をしていないと判断できますが
歯が全く動く事がない場合は抜歯手技前に骨性癒着が疑われる場合は
骨性癒着している歯に対する抜歯手技へと手順を変える必要があります。
骨性癒着した歯の抜歯
骨性癒着している歯では通常の抜歯のように
歯を動かして抜歯しようとしても抜けてこないので
骨性癒着をしている部位を削除して削り取るようにして抜歯をする必要があります。
そのため、骨性癒着していると判断したら
ただちに癒着部位の切削を開始して抜歯をすすめていく必要があります。
骨性癒着している部位が削除できれば通常の抜歯のように歯を抜く事ができる場合もありますが、
歯根が全体的に骨性癒着している場合はほとんど削り取るようにして抜歯してこないといけない場合もあります。
歯と骨の境界があいまいな場合は不必要に骨を削って骨髄を痛めてしまう場合もあるため、
必要な分のみを削除して抜歯を行うようにする事が大切となります。
基本的には感染源となる部位を取り除く事が必要となるため、
骨性癒着している歯で必要以上に削除を行うという場合は治癒が遅れる事もあるため注意が必要となります。
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