親知らずの抜歯の際に難抜歯と表現される事があります。
難抜歯は歯の根が肥大していたり曲がっていたりといった
様々な抜歯が難しくなる要素を含む事で呼ばれます。
千種区の阿部歯科では様々な親知らずの抜歯を行っていますが、今回は難抜歯についてお話しようと思います。
親知らずの難抜歯と水平埋伏歯
親知らずが腫れたといった理由で抜歯をする際に
比較的良く見る状態が親知らずが骨の中に埋まっており
歯が横に寝ていてこれ以上歯が口の中に出てこない
水平埋伏歯と呼ばれる状態があります。
親知らずを抜いたら顔が腫れた、痛かった
といった事を聞く事があるかもしれませんが、
このような腫れが大きくなったり痛かったりといった抜歯後の状態は
水平埋伏歯といった歯茎(歯肉)を切り、骨を削ったりして
ダメージが大きくなる際に見られやすくなる事もあります。
一方で難抜歯の際にも必要に応じて
歯茎を切り、骨を削り、歯を分割するといった処置を取る事もあるため、
水平埋伏歯と同様に親知らずの抜歯後に腫れが出る事もあります。
ただし、
難抜歯の際に、歯を削って歯の根っこを分割しただけといった際には
それほど大きなダメージが出ない事もあります。
やや分かりにくい難抜歯と水平埋伏歯の言葉の使い分けですが、
水平埋伏歯の抜歯に難抜歯という言葉も含まれると考えると少し分かりやすいかもしれません。
親知らずの生え方で変わる難易度
難抜歯をそのまま読むと難しい抜歯と読めるので
抜くと腫れて怖いのかと考えるかもしれませんが、
一概に難抜歯を行ったから腫れが必ず強くなるというわけではありません。
一方で上の親知らずが口の中に出ていてごく普通に生えてる場合は
歯の根が極端に曲がっていたり、極端に歯の根が肥大していたり
といった事がない限りは通常の普通抜歯となります。
しかし、上の親知らずの場合に歯が囲われる骨(上顎骨)は
比較的薄い部分が多く、
年齢が高く骨が非常にがっしりしているといった要素がない場合は
ある程度歯の根の先端が曲がっていたり、
歯の根が肥大してひっかかっていたりしても
上顎骨の方がたわんでくれたり、薄い骨を押しのけて抜歯できる事が多いため、
レントゲンで一見しても通常通りの普通抜歯で行える事が多くなります。
反対に下の親知らずの抜歯では、
その様な状況が認められる場合には
歯を囲む骨(下顎骨)が丈夫な骨のため、
上の親知らずと似たような状態の歯だったとしても抜歯の難易度が上がって
難しい抜歯手技を求められる(難抜歯)となる事もあります。
普通抜歯、難抜歯、水平埋伏歯の抜歯と言葉で区切るのではなく、
それぞれの歯の状態そのものを見てその抜歯の難しさを判定していく事が大切となります。