横に寝た親知らずを抜歯する際に
歯肉を切ったり骨を削ったりといった処置が必要になる事があります。
千種区の阿部歯科では多くの骨の中に埋まった親知らずの抜歯をおこなっていますが、
このような親知らずの場合にはそれらの処置がやはり必要となってきます。
これらの処置は単純に歯肉を切っているだけでなく、
骨を削るといった処置を行うために剥離という処置も行う事が大切となるのです。
切開の後に行う歯肉の剥離
歯肉を切る場合には、
骨を削ったり歯を分割したりするための術野の確保という目的がありますが、
これらの処置を行う際にはただ単純に歯肉を切っただけでは行えません。
歯肉を切った際には歯肉を骨から引きはがす処置である
剥離という処置を行います。
剥離を行わずに骨を削ったり歯を分割したりすると
その際に歯肉も一緒に巻き込んで削れていき
歯肉と骨の間にある骨膜という組織を大きく損傷する事となります。
骨膜は傷の治癒や骨の再生にとても重要な組織で
この骨膜が奇麗に保存されているかどうかで
親知らずの抜歯後の治癒や経過が大きく変わります。
その他にも骨を削る際には削る部分をよく見える様にするための
術野の確保という目的のためにも剥離操作は大切となります。
これらの、術野の確保、骨膜の保存といった処置が
親知らずを抜歯した後の治癒の過程に大きく影響を及ぼすのです。
親知らずの周りにも歯肉が強固についている
親知らずは骨の中に埋まっているというイメージがあるかもしれませんが、
親知らずの歯の頭の部分はしばしば歯肉に強く付着していたり、
歯と骨の間にある組織の歯根膜という組織が歯肉と強く付着している場合が多くあります。
このような場合には骨を削ったり歯を削ったりする際に
この付着している組織の部分が邪魔になりうまく処置ができない事があります。
そのため、このような場合には歯根膜線維を切断して
歯根膜付近と歯肉を奇麗に分離していく事も大切となります。
この処置は親知らずが骨の中に埋まってない時や
歯が横に寝てないような場合にも行われる事があり、
奇麗にまっすぐ生えている親知らずでも
この歯根膜線維との付着が邪魔になって歯肉に強くついている場合には
切開を入れてから親知らずを抜歯してくるといった事を行う事もあります。
歯肉の切開と剥離をしたら
歯肉に切開と剥離を行ったらその後には縫合を行う事が必要となります。
剥離をした部分には歯を削ったカスや骨を削った粉が残らないように奇麗に洗浄を行い、
切開をした部分には縫合をしていく事となります。
縫合をした部分はおおよそ1週間をめどに糸抜きを行います。
糸抜きを行うまでは縫合している部分が感染してこないように
清潔に保ってもらう事も大切となりますが、
歯ブラシなどでひっかけてしまうと傷がひっぱられて痛みを感じる事もあるため、
縫合をした場合には丁寧に優しく周りを奇麗に保つよう注意しておくと良いです。