親知らずの抜歯を行う際に
難しくなる要素というのがいくつかあります。
池下の阿部歯科では親知らずの抜歯を数多くおこなっていますが、
中には抜歯の難易度が高い要素を持つ患者さんもいます
その中に年齢による要素というものがあります。
年齢が上がるほど親知らずの抜歯は難しくなっていく
未成年で親知らずの歯がまだ未完成という特定の状況を除くと
年齢は上がれば上がるほど
親知らずの抜歯は難しくなっていきます。
特にその傾向は男性で顕著となります。
女性の場合にも年齢が上がれば
親知らずの抜歯は難しくなっていく傾向にありますが、
その変化は男性ほどではありません。
親知らずの抜歯は歯がどのように生えているかも
その難易度に大きな影響を及ぼしますが、
通常通り生えているおやしらずでも
年齢の要素は無視できないくらい抜歯の難しさに影響を与えるのです。
どうして年齢があがると抜歯が難しくなるのか
おおよそ成人以降になると骨の硬さがどんどん硬くなっていきます。
20歳から30歳ほどまではそこまで骨の硬さは変わりませんが
30歳を超えると5歳くぎりくらいで
段階的に顎の骨の硬さが硬くなってきます。
そのため、抜歯をする際にその骨の硬さが抜歯の難易度に大きな影響を与えます。
抜歯はただ単純に骨の中から歯を取り出しているだけではなく、
骨を少しゆがませて骨と歯の間にある歯根膜という組織をゆるませながら
空間を少し広げながら歯が抜けてくる
という操作を行っています。
この操作で骨があまりにも硬くてガチガチの場合には
歯の周りを緩ませる脱臼という操作が非常に難しくなる事があります。
骨がガチガチに硬くなってくると
抜歯するための器具を入れる空間もせまくなるため、
親知らずを抜こうとしても歯が全然脱臼せずに動かない
といった状況になって抜歯が難しくなる場合があるのです。
何歳までに親知らずを抜歯すればいいのか
親知らずが症状もなく落ち着いていたり
親知らずの影響によって他の歯が虫歯になっている
といったような状態がない場合には
今後ずっと親知らずの抜歯を考えないという選択肢もありますが、
何かしらの理由で親知らずを抜く必要があるといった状況が出てきた場合には、
やはりある程度の年齢までに抜歯をしてしまう方が
患者さんとしても楽となります。
親知らずの周りの骨がガチガチに硬くなっていると
歯を抜くのが難しくなるだけではなく、
歯を抜くためにその分骨を削ったり
侵襲が大きくなる分だけ治りが遅くなったり、
骨が硬い事によって歯を抜いた穴に血の塊ができにくくなる
ドライソケットという状態になる事があります。
これらの状況はいずれも治癒が遅くなる要因となるため、
骨が少しでも柔らかい間に抜歯を行った方が
結局は患者さんにとって楽だったという事にもなる場合が多々あります。
抜歯を行う目安は個人差によってある程度差がありますが、おおよそ
男性なら30代の内に
女性なら40代の内に
抜歯を行う方が良い可能性がります。
男性と女性共に50代になると骨もしっかりしてくるため
年齢という要素を見た段階で抜歯の難しさがグンと上がってきます。
特に50代男性の抜歯となると骨の硬さはかなり固い事が予想されるため、
抜歯を行う必要があると考えられる場合には
やはり40歳になる前に親知らずの抜歯を行う事が患者さんとして楽となります。