親知らずの抜歯など抜歯をするタイミングは様々にありますが、
やはり痛みを感じたら抜歯をしようと決めて来院される患者さんも多くいます。
歯があまりにも痛いと抜いてしまいたいと考える事もあると思います。
池下の阿部歯科にも痛いので歯を抜けませんか?と受診される患者さんがしばしばおります。
しかし、痛みという点だけから抜歯を選択しない方がいいというケースもあります。
歯髄炎による痛みは基本的に抜歯の対象とならない
歯が痛む原因の一つに歯の神経が炎症をおこして激しい痛みを感じる場合があります。
歯髄炎と呼ばれる状況で歯髄の組織が強い炎症を起こす事で
時には夜も眠れないくらい痛みを感じる事があります。
そういった場合は痛み止めもなかなか効かずに
いっそのこと歯を抜いてしまいたいと考えるかもしれません。
しかし、実際には歯の神経が炎症を起こしているだけでは抜歯の対象とはならず
歯を保存できない理由
例えば歯が割れてそれを原因として歯髄炎が起きたなどの
歯を残せない理由に限って抜歯を選択する事があります。
しかし、通常の虫歯などを原因とする歯髄炎では
歯の神経の治療をする事で急速に痛みは和らぐので
そういった場合は抜歯の対象とはならずに歯内治療を行っていく事となります。
歯の神経の炎症によって起きた圧力の上昇が歯内治療を開始する事で
急激に圧力が緩和されて痛みが嘘のようにひいていく事もめずらしくありません。
そのように痛いからといって最初から抜歯を選択するという事は基本的にはなく、
まずはその原因を特定してすみやかに痛みの原因と痛み自体を取っていく事が大切となります。
歯の痛みで抜歯をする場合
歯が保存する事が難しい場合には痛みの原因となっている歯自体を抜歯するという選択肢を取る事があります。
しかし、強い感染や炎症がある状態でさらなる抜歯という組織のダメージを与えると
抜歯後に炎症がさらに強くなってしまう事があります。
そのため、強い感染と炎症がある場合はまずは炎症を抑えるという事を
最優先事項として治療をすすめていく事となります。
それでも排膿路の確保ために抜歯を行い排膿をするという選択肢を取った場合は
抗菌薬をしっかり効かせた上で抜歯をする事となります。
そういった当日に感染と炎症が強い状態で抜歯をする事は
菌血症や敗血症といったリスクを上げる事になるのであまり一般的には取られませんが
それでも中には可及的速やかに抜歯を行う必要があるといった状態にある場合もあります。
そのような状態で抜歯をする時は
術前の投薬と感染のコントロールの他
術後の感染のコントロールも大切となってきます。
感染が強い状態での抜歯は術後感染のリスクもあがるためそのような術後のコントロールもとても大切となってくるのです。