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親知らずの抜歯をする際には

レントゲン所見と年齢からある程度難易度を予想する事ができます。

今池からすぐの阿部歯科では多くの親知らずの抜歯をおこなっており、

その際にも常に難易度を確認しながら抜歯の計画をたてていきます。

 

年齢は若ければ若いほど骨が柔らかくなります。

骨が柔らかいほど親知らずを抜歯する時には

処置を容易にする要素となりますが、

年齢が低い場合には親知らずの根が完成しておらず

そういった場合には逆に親知らずの抜歯が難しくなります。

 

年齢だけ若ければ若いほど親知らずの抜歯が容易になるという事ではなく、

親知らずの状態と骨の状態のバランスで抜歯の難易度が決定するのです。

 

レントゲンから見る親知らずの難易度判断

レントゲンを見た際に

親知らずの抜歯の難易度が予想する事も大切な事となります。

親知らずが容易になる要素としては

・親知らずが縦に生えている

・親知らずが骨の外に出ている

・親知らずの大きさが大きすぎない

・親知らずの歯の根が単根

・歯の根が曲がっていない

といった要素があります。

 

親知らずの生え方と大きさによる影響

親知らずが縦にに生えて骨の外に出ているといった要素は

親知らずの抜歯の難易度判断の際にはとても大切な項目で

この状態の場合には比較的スムーズに親知らずの抜歯ができると考えられます。

 

しかし、親知らずの頭があまりにも大きい際には

歯の根が骨から比較的簡単に出るものの歯の頭が骨の一部に引っかかって取り出せない

といった状態に陥る事があります。

このような場合には、

歯を一部分割してバラバラにして抜いてくるといった処置が必要となる事があります。

 

親知らずの根っこの状態による影響

親知らずの根は1本の場合の他に2本、3本といった場合もあり、

2本や3本の根を持つ親知らずでは、

歯の根が骨を抱え込んでおり抜きにくくなる事があります。

一方で、歯の根が1本の場合には骨を抱え込んでいる事はすくなくスムーズに抜ける事が多くなります。

 

歯の根は曲がっている事もあり、

曲がった根が骨の中でひっかかって抜きにくくなるといった場合もあるため、

歯の根は曲がっておらずまっすぐになっていると親知らずの抜歯が容易となります。

歯の根が大きく曲がっていると骨の中から歯を抜こうとしても抜けてこずに

抜こうとした際に歯の根の先端が折れてしまう事もあります。

 

しかし、歯の根の先端に感染がなく、

根の先端が噛歯槽神経の近くに位置する場合には

あえて折れた根の先端を抜かずに残す場合もあります。

 

歯の根の先端に感染がない場合では、

歯の根は時間の経過と共に骨と一体化して吸収されていくため、

歯の根の先端が折れた場合でもそれを取り除いた方がいい場合と

あえて取らずに残した方がいい場合があるのです。

親知らずが腫れて痛いという主訴で来院される患者さんは多くいます。

腫れが痛いということで当日の抜歯を希望される患者さんもいますが、

当日に抜歯を行うと逆に炎症が強くなってしまうという問題があります。

 

腫れた親知らずはいつ抜くのか

親知らずが強く腫れている場合には、当日に抜歯をすることはほとんどありません

腫れの周りに強い膿を作っている場合は切開をして排膿をしますが、抜歯自体は当日には行いません。

切開排膿をする目的は、

膿を出すと共に空気を嫌う嫌気性の細菌の生育環境を変えるためです。

空気を嫌う細菌が繁殖している部位では空気がない嫌気性の環境となっていますが、

これを空気にさらすことで嫌気性の細菌が増えにくいようにするのです 。

 

そのため、親知らずが腫れて膿を作っている時には、

炎症が強い状態でも切開をして排膿するという事が大切となります。

一方で親知らずを抜歯する事自体は炎症を強くするため、

親知らずの周りが腫れて膿を作っている状態では抜歯は行う事はほとんどありません。

 

腫れている最中に親知らずを抜いたら

それでも、親知らずが腫れている状態で抜歯を行うと炎症が急激に強くなる事があります。

抜歯に伴う傷口が大きくできる事で

逆に炎症が広がり唾を飲み込みにくくなったり

口を開けにくくなったりといった問題が出てくる事があります。

切開排膿を行う事と親知らずを抜くという事は同じように傷口ができるといっても、

目的自体が大きく違っており、その結果にも違いが出ます。

 

切開排膿を行う事自体は炎症を結果的に弱める効果がありますが、

炎症が強い状態で親知らずを抜くという事は逆に炎症を強めてしまうのです。

親知らずを抜く一番の目的は、

親知らずの周りに感染が起きにくいようにするという事なので、

今現在強く出ている炎症をおさめるという事自体は抗生物質の投与などで行います。

その上で、炎症がある程度落ち着いてきた段階で親知らずの抜歯を行うことになります。

 

炎症が治まった後の抜歯のタイミング

急性の炎症が治まってきて、ある程度腫れと痛みが軽快した段階で抜歯を計画していきます。

急性の炎症が起きたということは、

時間が経てばまた炎症が強くなる可能性があるので、

切開排膿や抗生物質の投与によって消炎処置が完了した後には

ある程度早めに親知らずの抜歯を計画していく事も大切となります。

 

炎症が治まったことで抜歯をしばらく延期することもありますが、

特別な理由がない場合には今後再び炎症が強くなるリスクを避けるために

しっかり今後の治療計画を決定していくことも大切となります。

池下の阿部歯科では親知らずの相談で多くの患者さんが来院されていますが、

腫れが強くなっている段階ではまずは痛みと炎症を抑えて、その上で必要性に応じて抜歯を計画しています。

虫歯などで歯の頭である歯冠が崩壊したりして感染源になっている場合に

抜歯を選択する事がありますが、

歯を抜かない事によるメリットというのも存在します。

 

歯を抜かない事によるメリット

感染源を取り除くという意味で抜歯を行う場合

その歯によってふたたび感染が起きてこないというメリットがありますが、

一方で抜歯を選択しなかった場合にもメリットは存在します。

 

感染原となっている歯があるものの、

その歯の感染がある程度コントロールできている場合に例え歯の冠を作れないくらい崩壊していても

歯を残す場合があります。

その際には歯の中に再び感染が起きないように根面板といった蓋をする事がありますが、

この根面板自体には物を噛む能力はありません

しかし、歯の根だけでも残す事で歯槽骨の吸収が穏やかになるというメリットもあります。

 

骨は通常歯が噛み合う力を受ける事で骨の吸収が抑えられていますが、

歯が失われる事によってその刺激がなくなり骨の吸収がすすむ事があります。

そういった際に歯の根だけでも残しておくとその根を通じていくらかの刺激が加わって歯槽骨の吸収が穏やかになる事があるのです。

 

歯の根を残す事で逆に骨の吸収が強くすすむ事がある

一方で歯の根を残す事で逆に歯槽骨の吸収が強く進んでしまう事もあります。

その状態とは感染がコントロールできておらず歯根を残す事で炎症が持続している場合です。

炎症が持続する事によって破骨細胞が活性化されて骨の吸収がすすみ

歯根の周りがどんどん溶けていく状態です。

 

歯根からの刺激を受けて歯槽骨の吸収がおだやかになるという状態は

あくまでも感染がコントロールされていて炎症が起きていない状態に限っており、

歯根が原因となって炎症が起きている場合はデメリットが多くなってしまいます。

つまり、歯根から受ける刺激による骨の吸収抑制よりも炎症による骨の吸収が上回ってしまい

歯根を残した事によって歯槽骨が吸収をつづけてしまうといった状態です。

 

歯根を残す場合には適応を考えて

そのような事情から単純に歯根を残す事自体が良いというわけではなく

逆に感染原となる歯根を早めに除去した方が歯槽骨の不必要な吸収を抑えられる事もあるのです。

歯根を残すかどうかはそれぞれの感染の状態にもよりますが、

やはり患者さんの希望という点も大きくなります。

そのため、歯根を残した場合にどのようなメリットやデメリットがあるかを確認した上でどのような処置を取っていくのかを決める事が大切となります。

池下の阿部歯科では院長と副院長共に感染や炎症について知見も深く、口腔外科での経験も長いため親知らずなどでお悩みの場合はぜひご来院ください。

 

親知らずの抜歯をする際に歯の根を残す事があります。

抜歯の際に歯根の一部が折れて残ったり

またはあえて初めから残すといった状態まで様々です。

 

歯根を残す場合

親知らずの抜歯の基本は歯根も含めて全て抜歯を行う事ですが、

抜歯の際に歯根が折れる事もあります。

そういった場合でも残った歯根を取り除きますが

歯根が下歯槽管に入っていたりまたは近かったり、骨と癒着しているなど

歯根を取り除く上で取り除く事自体がリスクとなる場合は

あえて取り除かない場合があります。

 

特に残った歯根を取り除く事が下歯槽神経へのダメージを予測させ

親知らずの神経自体には感染が起きていない場合は

歯根を残す事よりも取り除くこと事の方がリスクとして上昇する可能性があるので

そういった場合は必要に応じて歯根を残す事があります。

 

最初から歯根を残す場合

歯根を抜く事が明らかに下歯槽神経にダメージを与える事が予想されたり

歯根が硬い骨に強固に囲まれている場合といった

歯根を取り除く上で様々なリスクとなる事が初めから予想される場合

歯根を取り除かずに歯冠だけを取り除くコロネクトミーを選択する事があります。

 

コロネクトミーの場合は最初の抜歯計画の時点から歯根を残す事が決まっており

基本的に術中に歯根を残すか取り除くかは決定はしません。

コロネクトミーを行った際は歯冠と歯根の断面が抜歯窩に露出するため

その部位での治癒が遅れる事があります。

 

通常だと骨面に沿って血餅が形成されてその部位に結合組織の新生が起きて次第に治癒をしていきますが

コロネクトミーを行った歯の断面では血餅の形成や組織の新生がなかなかできずに

抜歯窩がなかなか埋まらない事もあります。

そういった場合でも基礎疾患など特別な理由がなければ

次第に回りから組織が増生していき抜歯窩が埋まっていく事となります。

 

ただし、抜歯窩に汚れがたまり続けると

抜歯窩が感染を起こす事もあり

抜歯後の感染を起こした場合はさらに治癒が遅れる事もあります。

 

基本的には親知らずの抜歯では歯根も含めて全て抜歯を行うのですが、

様々なリスクや要素を総合して歯根を全て取り除く事がベストな選択肢なのかという事を判断していく事も大切となります。

 

歯根を残した後に歯根の位置が変わり再度歯根に対して抜歯の手技を行う2回法という手技もありますが、歯根が残った状態で問題なく経過している場合はそのままの状態にしておく事もあります。

どの方法が必ずベストというわけではなく親知らずの状態に合わせた治療法の選択が大切となってくるのです。

池下の阿部歯科では親知らずの抜歯に関する様々な情報をお届けしています。

 

抜歯前に抗菌薬(抗生物質)をあらかじめ投与したり

抜歯後に処方したりしますが、

このような処方は習慣的に行われていますが、

特定の抜歯においては必要ない可能性もあります。

 

抜歯前の全投与

抜歯をする際にあらかじめ抗菌薬を処方して

抜歯の際に抗菌薬を効かせた状態で抜歯をする事がありますが、

20年ほど前はしばしば前投与をしていましたが、

現在では前投与はあまりしなくなっています。

 

抗菌薬に対する耐性菌の問題もありますが、

前投与の有無はあまり変わりがないという抜歯の症例もはっきりしてきた点もあります。

感染が非常に強く、今現在の感染を抑えるという意味で

抗菌薬を処方して抜歯に臨む場合はありますが、

感染があまりない状態で抜歯を行う際には前投与はあまり行わなくなっています。

 

感染性など特定の状況下においては抗菌薬を処方して抜歯を行う場合もありますが、

以前のように全ての症例においてルーチン的に前投与を行う事は

現在では少なくなっています。

 

このような抗菌薬の使用の減少は抜歯のみならず

他の治療においてもその傾向が認められています。

 

抜歯後の処方

抜歯後に感染予防として抗菌薬を処方する事が今現在では一般的ですが、

抜歯後の感染リスクが少ない場合は抗菌薬の処方が抑えられていく可能性もあります。

耐性菌の問題もあり、すべての症例において抜歯後に抗菌薬を処方するのではなく、

現在の感染が強く抜歯後にも感染を抑えなければいけない

といった症例においては抗菌薬の処方を行い、

全身疾患もなく抜歯後の経過においてリスクが少ないと判断される症例では

抗菌薬の処方を抑えて痛み止めのみを処方するといった流れに今後変わっていく可能性があります。

 

全身疾患や易感染性の場合

それでも特定の全身疾患や感染しやすい状態があったり、

感染が起きる事自体が他の疾患に大きなリスクを及ぼす場合は

積極的に抗菌薬を処方していく必要がある場合もあります。

 

全ての症例に画一的に処方をするというわけではなく、

症例ひとつひとつを確認して処方の必要性を考えて処方していく様に

今後の流れが変わっていく可能性もあります。

 

それでも痛み止めに関しては抗菌薬とは別の事柄となるため、

抜歯の後には基本的に痛み止めを処方していく事となります。

 

痛み止めは何を飲む?

抜歯後の痛み止めで一般的によく処方されるのが、

ロキソニン、ボルタレン、カロナールなどといった痛み止めになりますが、

それぞれで効きの強さや性質などが違うため

患者さんの状態やアレルギーの有無などを確認して

どのような痛み止めを出すようにするのかを決めていく事となります。

 

池下の歯医者の阿部歯科でも親知らずの抜歯も含めて抜歯を行う際には抗生物質(抗菌薬)の処方の必要性の有無を確認して、処方する際にはその期間もそれぞれの症状に合わせて決定を行っています。

歯そのものを抜歯する方法の他に

特殊な抜歯の方法としてトライセクションという手法があります。

トライセクションは対象となる歯が限られていますが、

症例によっては抜歯ではなくトライセクションが選択される事もあります。

 

トライセクションとは

歯の根が3本あり、そのうちの歯根の1本のみを抜歯する手法です。

トライセクションの際には3本ある歯根から

1本の歯根を切り離して抜歯を行い

残りの2本の歯根は残して噛む能力を一部温存する治療方法です。

 

この際には歯根の一部がなくなるため

歯の負担能力や形といった要素にも影響を与える事となります。

 

トライセクションの対象歯

トライセクションを行う際には歯根が3本ある事が条件となるため

通常は上顎の第1大臼歯もしくは第2大臼歯が対象となりますが

第2大臼歯では歯根が癒合傾向にある事も少なくなく

そのためトライセクションを行う場合は

比較的第1大臼歯が対象となる事が多くなります。

 

トライセクション自体は歯根が3本あり

歯根の1本が保存不可能なものの

歯根の残り2本が保存可能という条件が必要になるため

対象となる症例は比較的限定されます。

 

トライセクションの対象の歯根

トライセクションを行う際には歯根の1本を抜歯するのですが

上顎の第1大臼歯の歯根は3本とも同じではなく、

れぞれの歯根で負担能力が変わっています。

 

上顎の第1大臼歯の内側の口蓋根が最も負担能力が強く

頬側の近心頬側根と遠心頬側根は口蓋根よりも負担能力が下がっています。

そのため、トライセクションを選択した際には

口蓋根よりも頬側根の抜歯が行われた方が

その後の歯の負担能力としては高くなります。

 

トライセクションを行った後の形

トライセクションを行うと歯根の一部が失われるため

歯の形もそれに合わせて変形する事となります。

 

トライセクションを行う際には歯根を分割する必要があるため

あらかじめ歯の神経の処理が必要となりますが、

その後の分割した歯の抜歯した歯根の位置によって最終的な歯の形が制限されてきます。

 

頬側の歯根を抜歯した際には歯がへこむような形になるため

その部位が清掃不良となる事があります。

そのため、トライセクションを行う際には適応だけではなく

その後の清掃性などに関しても考えないといけません。

 

トライセクションを選択するか

トライセクションでは3本の歯根のうち1本の歯根を分割して抜歯しますが、

負担能力や清掃性の事などを考えて

トライセクションの選択をしない事もあります。

 

残りの歯根に関しても保存可能である事が必要となるため

適応とその後の予後を考えた上で選択をしていく必要があります。

 

今池から5分の阿部歯科では様々な治療法の情報などを定期的にお届けしています。

特殊な抜歯の方法の一つにヘミセクションという手法があります。

通常は抜歯の際は歯自体を全て抜くのですが

ヘミセクションを行う際には歯全てを抜くという事はしません。

 

歯の根の一部を抜歯する

ヘミセクションという手法は

歯の根が2本ある場合に2本の根の間で分割を行い

歯根の片方のみを抜歯する手法です。

 

歯の根が割れてしまった

歯根の先端に予後不良な感染が起きている

歯槽骨が極度に吸収している

といった際に2本の歯根のうちの片方が保存可能な際に

ヘミセクションを行う事があります。

 

ヘミセクションでは2本の歯根の間で分割を行うため

歯の神経の治療をあらかじめ行っておく必要があり、

その上で分割を行い片方の歯根を保存します。

 

ヘミセクションを行った後

ヘミセクションにより歯の片側が無くなるのですが、

その部位を埋めるためには

ブリッジをかける

入れ歯を入れる

などの処置を行っていきます。

 

ヘミセクションの後に比較的よく行われるのがブリッジによる処置で

抜いた歯根の横側の歯と残りの歯根を橋渡しにして

抜歯した部位を噛めるようにしていきます。

 

ヘミセクションの後は通常では2本あった歯根が1本となるため

歯の負担能力としては支えが半分となるため負担能力もおおよそ半分ほどとなります。

そのためヘミセクションを行った後はどのように歯の負担能力を回復させていくのか

治療計画を立てて考える必要があります。

 

ヘミセクションの行える歯

ヘミセクションを行う際には歯根が2本ある事が必要となるため

その適応となる歯は限られています。

一般的に歯根が2本ある歯は

下顎の第1大臼歯と第2大臼歯となるため

通常はヘミセクションが行われる際はこれらの歯が対象となります。

下顎の親知らずも歯根が2本の場合もありますが

親知らずに対してはあまりヘミセクションが行われる事はありません。

 

下顎の第1大臼歯や第2大臼歯に関しても歯根が1本のこともあるため

実際にはレントゲンを確認した上で

歯の状態を考慮してヘミセクションが行えるかどうかを考えていく事となります。

 

ヘミセクションを行うかの分かれ目

ヘミセクションを行う際には

歯根が2本ある

歯根の1本が保存可能

残りの歯根が保存不可能

といった条件が必要になりますが、

残りの歯根の負担能力を考えた際にあえてヘミセクションを行わず

抜歯を選択するという事もあります。

その際は対象となる歯だけではなく、

その他の歯を含めた口腔内全体の状態を考えて治療計画を決めていく必要があるのです。

 

池下の阿部歯科では口腔外科に関する様々な治療法などに関しても情報をお伝えしています。

 

歯が割れて残す事が不可能になった歯は

抜歯するという選択肢が出てきます。

 

一部が割れていたり、どうにかして利用可能な場合は

残った部分を利用して機能させる事もありますが、

実質的に保存不可能であったり

割れた歯が感染源になってしまっている場合は

抜歯が積極的な選択肢となる事があります。

 

割れた歯が感染源になることも

歯が割れた部分に汚れがたまり

そこから伝うようにして歯槽骨へと感染を起こす事があります。

そのような際にはしばしば腫れを繰り返したり

膿が出たりといった状態になる事があります。

 

噛むと痛いといった症状の他にも

繰り返し起きる腫れや膿は生活そのものにも大きな問題を引き起こす事があります。

割れた部位に染み入るようについた汚れは感染源となり

歯槽骨の中で感染と炎症を起こす場合があります。

 

このような炎症を繰り返し起こす事で歯槽骨が溶ける

といった後々の治療において問題となる状態を引き起こす事もあります。

 

感染源となった歯の影響で歯槽骨が溶ける

歯槽骨に炎症が起きるとその影響で骨が破壊されていきます。

これは炎症による影響で骨を溶かす破骨細胞が活性化され

その結果歯槽骨が溶けていきます。

 

通常、骨は骨を作る骨芽細胞と骨を溶かす破骨細胞のバランスがとれており

それによって正常な骨の代謝、骨改造というリモデリングをしていますが、

炎症によってこのバランスがくずれ

活性化した破骨細胞によって過剰に歯槽骨が溶かされる事となります。

 

炎症を抑える事が大切

このような、炎症が続き歯槽骨が溶ける

といった状態が続くと感染源となった歯だけでなく

隣の歯を支える骨の部分や後々の治療など様々な悪影響を引き起こす事もあります。

抜歯という選択肢は安易に選択するものではありませんが

このような広範囲にわたって大きな悪影響をおよぼしかねない状態の場合は

早めにその選択を行った方が結果としては大きな利点になる事もあります。

 

通常は歯がかなり膿を出したり

完全に歯がバキバキに割れてしまってから抜歯する事が多いですが

実はそのような状態の時には歯槽骨はすでにかなりダメージを受けているため

実際にはそうなる前に抜歯を決断していた方が

歯槽骨があまり溶ける事なく治療を終えれたといった場合もあります。

 

抜歯の選択肢は簡単に決断できるものではありませんし

保存不可能な歯を不用意に抜歯してしまう事もよくありませんが、

大きな悪影響をおよぼすと考えられるような場合には

その後の事を考えて積極的に選択を行う事も大切な場合もあります。

 

池下の阿部歯科では親知らずの抜歯など様々な口腔外科に関する情報を日々更新してお届けしています。

抜歯の方法の中には

歯の根の一部のみを抜歯する

ヘミセクションやトライセクションといった方法があります。

 

これらの方法は

感染が強く、歯の根の一部の治癒が非常に悪かったり、

残せないほど虫歯がすすんでいたりする場合に

他の根は残して治療をする時に行われる事があります。

 

ヘミセクション

ヘミセクションは2本ある歯を

真ん中で切断し歯根の1本だけ抜歯をして

残りの1本は残す方法です。

 

歯の半分は活かせるものの

残り半分は治療が難しいといった場合に行われる事があります。

この場合、歯根は2本必要なので

一般的な対象は下顎の大臼歯となります。

 

下顎の大臼歯は

典型的には歯根が2本なので

ヘミセクションが適応となる場合に行われる事があります。

 

ただし、

大臼歯でも歯根が1本のものや

歯根が2本でも両方とも残せない場合は

ヘミセクションの対象外となります。

 

トライセクション

トライセクションは歯根が3本の場合

歯根の1本をヘミセクションと同様に抜歯します。

 

歯根が3本の場合は

2本まで抜歯して1本まで残っていれば

その部位を修復できるという理屈になりますが、

実際には元々あった3本の歯根で支えていた部位を

残りの1本だけで支えることになるので

適応は限られます。

 

歯根が3本ある歯が対象となるので

一般的には上顎の大臼歯が対象となります。

 

上顎の大臼歯の典型では

歯根は3本あるのですが、

全ての歯根が同様の大きさというわけではなく、

口蓋の歯根が一番大きく

残りの2本は小さくなっています。

 

そのため、

大臼歯の負担を考えると

通常ではトライセクションは

頬側の近心、もしくは遠心の歯根の抜歯として行われます。

 

上顎の大臼歯は常に歯根が3本あるとは限らないので

歯根が1本の場合はトライセクションの対象となりません。

 

ヘミセクションとトライセクションをした後

ヘミセクションまたはトライセクションの処置をした後は

修復処置または補綴処置が必要となりますが、

その部位の負担能力によって

歯を作り直す

ブリッジの一部にする

根面板にする

などの処置がとられます。

 

ヘミセクションをした場合は

他の歯が残っている場合は

処置をした残りの根と合わせて

ブリッジにする事がしばしば行われますが

 

トラセクションで

近心もしくは遠心の頬側根の抜歯をおこなった場合は

残りの口蓋根とあわせて2本の根で

歯を作り直す場合もあります。

 

どのような場合にしても

歯の負担能力を考えて

処置が行われるので

それぞれの適応にあった処置を選択していく事となります。

 

今池からずぐの阿部歯科では様々な治療に幅広く対応しています。

抜歯の際に骨膜の剥離という手技を行う事があります。

良く行われるのは

親知らずの水平埋伏抜歯の際によく行われます。

 

どのような手技かと言うと

骨の上には骨膜という比較的丈夫な膜があり

この膜を骨から引きはがす手技となります。

 

骨膜剥離

骨膜剥離は

骨膜剥離子(こつまくはくりし)またはエレバトリウムと呼ばれる

板状の器具を用いて行われます。

 

骨面にあて骨膜剥離子によって骨膜をまくり上げるように

骨から剥離して骨を露出させます。

 

骨膜剥離子を入れる前に

骨膜の切開をしますが、

その後に剥がすように骨膜を骨から持ち上げていきます。

 

この骨膜剥離という手技は

骨の削除をする際にも重要ですが

術野を明示するという意味でも重要です。

 

骨膜が残っている状態で骨を削除すると

術野が分かり辛いだけでなく

削除の際に骨膜を巻き込んで邪魔になると共に

骨膜を損傷するので治癒も悪くなります。

 

抜歯処置が終わって閉創される際には

この骨膜を粘膜と共に戻して閉創します。

 

意外と剥がしにくい事もある骨膜剥離

骨膜剥離は

骨から膜を剥がすという事で

簡単に剥がれると思うかもしれませんが、

 

骨膜は丈夫な膜で

切開の後に術野を確保できるようしっかり骨膜剥離をするのは

基本であるもののコツも必要です。

 

特に歯の周囲から続く粘膜や歯肉線維などを剥がしながら

骨膜を剥離していくには適切に骨膜剥離の手技をする必要があります。

 

骨膜は色々な処置の際にも剥がれている

歯の治療の際に麻酔を打つ事がありますが、

この麻酔も骨膜の下に注射を打つ事があります。

 

骨膜の下に注入された麻酔薬は

骨膜を持ち上げるように膨れ上がっていきます。

この際に骨膜の一部が麻酔薬の液体によって骨から剥がれていくのですが

この際に剥がれた骨膜の感じが

麻酔が終わった後の違和感として残る事があります。

 

ただし、

骨膜の下に打った麻酔で骨膜が破れるという事はないため、

時間がたてば比較的早く違和感はなくなっていきます。

 

骨膜の下に麻酔薬を打つ事で

骨に直接麻酔薬が触れ

麻酔の効きを良くするという目的で骨膜の下に麻酔を打つのです。

 

骨膜を剥がさずに骨を削除すると?

骨膜の上から抜歯の際の骨の削除もできなくはないのですが、

骨膜を巻き込みながら

組織を切り裂くように骨へと到達するので

やはりこのような処置をすると抜歯後の治癒が悪くなる事があります。

 

骨膜はしっかりした膜なので

骨の削除をする際の回転式のドリルを使うと

膜が絡みつくようにドリルの刃にひきついてきます。

このように骨膜を扱うと

かなり骨膜がズタズタになってしまうので

やはり基本は骨膜をしっかり剥離して

その下の骨をしっかり明示した上で処置を行う事が大切となります。

 

池下の阿部歯科では様々な抜歯に関する知識に関しても情報をお知らせしています。

 

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